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第三十八話 なんのこっちゃ

大阪弁には、憶えておくと便利な慣用句がある。「なんのこっちゃ」もそのひとつで、大阪人はほぼ日常的に使いまくっている。

ストレートな用例としては、「相手が何を言ってるのかわからない」という使い方がある。要領を得ない相手がぺらぺら長時間しゃべったあげく、話をもっとややこしくしたりすると、聞いている方はひとこと、「なんのこっちゃ、わかりまへん」と投げ返すのである。

また別の用法としては、元の木阿弥とか、くたびれもうけみたいな状況に陥ったときに言うケースもある。苦労して徹夜して仕事を仕上げたのに、訪ねてみると相手先はお休み。そんなときはひとり自嘲気味に、「なんのこっちゃ」とため息をする。

かっと腹を立てるのではなく、何気ない慣用句で自分自身を客体化し、気を散じてしまうところが、大阪人のエライところ。腹を立てても、ええことはひとつもないことを、商売人はよく知っているのだ。

「なんのこっちゃ」は標準語で言うと、「何のことだ?」「何を言ってるの?」といった言葉になる。標準語でこれを言うと、結構カドが立つし、相手を傷つけることもある。大阪弁はその点、うまくできている。はっきり断定調にならず柔らかい物腰で、それでいて、相手にしっかりこちらの気持ちや言い分を伝えている。さすがは商都で培われただけのことはある、非常によく考えられた方言になっている。「ちゃうちゃう」の回でも述べたが、大阪弁は仏語のリエゾンに似た、連語変形がいろいろあって、実にスピーディで使い勝手が良い。

「これは、あれは、それは****ですね」が、「こら、そら、あら****や」で済むし、「これだけ、あれだけ、どれだけ****したら気が済むのですか」が、「こんだけ、あんだけ、どんだけ****したら気ぃ済むねん」で済む。いちど使い慣れると、もう標準語には戻れないドライブ感があるのが、大阪弁のえーとこ。「なんのこっちゃ」もそんな連語のひとつ。「何のことだ」が「なんのことや」になり、さらに変化して「なんのこっちゃ」へと転じたもの。

「会話イコール漫才」と形容されるの大阪では、これが話を展開したり、オチに持ち込むツッコミ言葉としても、非常によく使われている。「なんのこっちゃ、あんたとはやっとれんわ」「ほな、さいなら」「チャンチャン」といった用法である。
ワケのわからないボケかたをした相手に対して、「なんのこっちゃ。わけわからんこと言うなー」てな感じで救いの手がさしのべるられるのも、このツッコミのいいところ。ぜひ使いこなしてほしい、便利な慣用句である。

本日のスキット

料理人と弟子の会話

料理人 「おーい、A君、ベシャメルソースできたか?」
弟子

「はい。できることはできたんですが…」
料理人 「できたけど、なんや」
弟子

「はい。一回焦がしてしもて、もう一回作り直しまして…」
料理人 「ほんで、どやねん」
弟子

「はい。二回目は肉汁を入れすぎまして」
料理人 「どないなってん?」
弟子

「はい。見た目はドミグラス、味はベシャメルみたいなことに…」
料理人 「なんのこっちゃ」