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第五十一話 ええやん

「ええやん」「ええやないか」というのは、「良いな」「好いじゃないか」といった意味の大阪弁である。"エエ"という発音が、いかにも大阪ローカルな言い方みたいに思われているが、実はさにあらず。
「エ」という語は、日本語本来のもので「ヨイ」より古い。吉(よし)の古語「エ」からきたものである。今の標準語である「ヨイ」はそれよりも新しく、これが変化して「イイ」にまで進展してきた。

「エ」は漢字で書くと「愛」。接頭詞として名詞に付き、「愛すべき、いとしい」などの意を表してきた。「古事記」上巻には「あなにやし、愛(え)をとこを」とあるし、中巻の神武天皇が高佐士野(たかさしの)で七人の少女を見られた時の歌にも、「かつがつも最(いや)先立てる愛(え)をしまかむ」と、一行中の先頭を行くいちばんの美女というのを、「愛」の言葉で表現している。
また、陰陽道でいう恵方(えほう)は別字で吉方(えほう)であり、大阪の「住吉」は上古はスミノエと呼ばれていた。これをスミヨシと字音通りに読んだのは、平安時代になってからのこと。
すなわち、「ええ」という言い方は、愛とか吉とかいう好もしい状態を表現してきた、日本古来の言葉なのである。「どうせ、ベタな大阪ローカルな言葉でしょう」などと、あなどってはいけない。

しかしまあ、「ええやん」という言葉の持つムードが、ほんわかとしていて、緊張感に欠けるのも事実。
例えば、不始末をしでかした人間を赦免するときに、お武家言葉で「まあ、よいではないか。許してつかわせ」と言われるよりは、「まあ、ええやないかいな。堪忍したりぃ」と言われる方が、情感が伝わってきて思わずウルウルくるし、許される方も余計に反省してしまうものではないだろうか。大阪弁というのは元来こんなふうに、弱者にやさしい慈愛に満ちた言葉だ。
と同時に、そんなふうに融通が効くぶんだけ、どこかちゃらんぽらんで、ラテン系の「ま、ええやん」というルーズさ、ずるさが同居している言葉でもある。
例えば、大阪商人が古くから使ってきた「ええよーに、しとって」という言葉などはその代表。直訳的には、「アンタに任せるから、好きなようにしてちょーだい」といった意味だが、その裏には、「アンタに任せたんやから、なんぞあったら、責任とってもらいまっせ」とか「ええ仕事せんかったら承知せんで」といった、言外の期待を、充分に含み持たせているのである。

大阪人というのは昔から、こうした漠然とした、角の立たない言い方をしながら、大きな商売を動かしてきた。話が煮詰まってきて核心に迫り出すと、お互いヒートアップして一歩も譲らなくなり、最後は契約破断ということになったりするが、大阪人はそんな角の立つような言い方はしない。事を荒立てず、ねばり強く調整を続け、ここらが手の打ち所だと感じたらすかさず、「まあ、そのあたりのところで、なにぶん、よろしゅうお頼み申しますわ」といった曖昧な調子で、話を切り上げるのである。
いまでも、この手の海千山千タイプのビジネスをする人は、大阪に多い。「まあ、どっちでもかましまへん。そちらさんのええように、しといとくれやす」、なんていう言い方をする商人に出会ったら、ビー・ケアフルである。

本日のスキット

親子の会話

「あ、おかん、アレ見て、あのゲームええやん。なあ、お年玉で買おて」
「何言うてんの!アンタのお年玉なんか、もうあらへんやないの!」
「え、うそぉ。まだあるて、なあ、ええやんええやん、買おて、買おて」
「まあ、お母さん、正月ぐらい、わがまま聞いてやってもええやん
「ほな、お父さんが、お金出しはったらよろし」
(子供をじっと見て)
「家にようけゲームあるし、もうええやん。さ、帰ろか」