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第四十九話 あんさん

英語で「アナタ」は「YOU」だけ、いたってシンプルだ。これが日本語になると、アナタという以外に、アナタ、キミ、オマエ、キサマ、アンタ、オノレ、キデン、キクン、キコウ…などと、えらい騒ぎになる。外人が日本語を覚えるのが、たいへんなのが、よくわかるというものだ。
大阪弁では、商都という歴史性から、独特の商人用語がいまでも生き続けている。「あんさん」は、その代表といえる。
かつては、大阪の商家では一般に、「あんたはん」を用いていたようだが、こちらの方はいまでは、船場界隈でもめったに聞かなくなった。

「あんさん」とは、「あなたさん」の略語で、「あなたさん→あんたさん→あんさん」と変化してきた代名詞である。
「あんた」ではぶしつけだし、「あんたさん」ではちょっと堅苦しい、そこで編み出されたのが「あんさん」という"たぬき"のバージョンである。

ドラマなどで浪花の古女房が夫のことを、「ちょっと、あんた」とがさつに呼んでいるシーンがよく出てくるが、これだと、かなり尻にしかれているなあ…というムードである。ところが、「ちょっと、あんさん」になると、どことなく敬愛の念がこめられていて、ええ感じの恋女房みたいに見えてくる。
大阪を舞台にした古い邦画にはよく、そんなしっかりもんの女房が登場する。夫の方はたいてい、アカンタレだったりする。そういう邦画が、いまでは少なくなったように、「あんさん」という呼び方がしっくりくる浪花女性は、どんどん少なくなっている。淋しいといえば淋しい話だ。

大阪弁ではこのほかにも、「アナタ」を意味する代名詞がまだある。例えば、「ジブンなあ…」なんていう呼び方があるが、これなどは漢字にすると「自分なあ…」なので、誰が誰のことを言っているのか、さっぱりわからない。
さらに、ローカルな大阪弁になると、「ワレなんじゃい!」(こ、怖い…)「オンドレなにさらしとんじゃ!」(お、恐ろしい…)なんていう、呼び方が飛びかったりする。でもこのへんの言い方は、良い子のみなさんは、まねをしないようにしてください。

本日のスキット

夫婦の会話

「あーあ、今度の会社もまたクビになってしもたわ」
「アンタのおかげで新しく入れる人ができるんやから、よろしやないの」
「なんや、すまんなあ、わし、こんなカイショなしで」
「何を言うてはんの。あんさんみたいにやさしい人は、会社勤めにはむいてへんのよ。そのうち、天職が見つかりますわ」
「天職見つけに、また転職、ちゅうてな…」
「ま、もうちょっと緊張感持った方がよろしいけどな」