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第四十一話 ごっつい

「ごっつい」とは、ごつごつした様子を表す言葉「ごつい」のあいだに、大阪弁特有の「っ」が入って変化したものだ。この「っ」を入れる弾むような言い方は、何かを強調したいときに、ディープな大阪人がよく使う話法である。
例えば、お店屋さんなんかで「値段が高い」ことを強調するのに、「ウソ、たっかー」とのけぞりながら言うとか、どこかの公衆トイレに入った瞬間に、「うわ、くっさー」と騒ぎまくるとか、言ってみれば、小学生みたいな反応をすぐにしてしまうイチビリ系大阪人の、代表的なリアクションワードである。したがって、お育ちの良い大阪人は、こんなヒップな言い方はしない。

「ごっつい」は、ごついさまを表す場合もあるが、どちらかというと大阪弁では、「すごく」「非常に」「とっても」といった、英語で言う「ベリー」と同じ意味で盛んに使われる。「あの映画、ものごっつぅよかったわー」「なにこれ!ごっつエエ感じやん!」「うわー、ごっつい色した服やなー」など、何にでもくっつけて使えるので、憶えておくとたいへん便利な言葉だ。
でも逆に、ボキャブラリーが貧困になるのも否めない。なんでもかんでも、ごっついの一言で片づくので、「ごっついオイシイ」「ごっついオモロイ」「ごっついエエ」などという表現が、大阪では氾濫している。何がどのように、美味しいのか、面白いのか、良いのかが、具体的にわからないのである。国語教育的に言えば、いかがなものか、という状況といえなくもない。

でも、大阪人というのは、お互いにニュアンスでわかりあえるという、超能力集団でもある。例えば、人に道順を教えるのに、「あの道バァーっと行って、どんつきをグァーっと行って、はすかいをバァーっと行ったトコや」といった、やたら擬音の入った教え方をするのが大阪人のクセなのだが、非大阪文化圏の人が聞いても、さっぱりわからないことが多い。大阪人同士は、このバァーとかグァーという分量感で、こみいった情報も上手に伝えあってしまうという、コミュニケーション能力を持っている。よその人から見れば、ごっついヘンな大阪である。

本日のスキット

カフェでアベックの会話

「何する?」
彼女

「ウチ、あのミルクの泡の立ったコーヒーするわ」
「ああ、カプチーノね」
彼女

「あれの、ちっちゃいやつあるやん」
「ああ、カフェ・マッキャーノね」
彼女

「うわ、ごっつカッコええやんアンタ。ほな、それ頼んできて」
--カウンターへ行って--「あ、すんません。あの泡付きコーヒィのこんまいヤツ2つください」
彼女

「…….はっきりゆうてアンタ、ごっついヘンやわ」