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第三十一話 はよ

大阪人は、概して"いらち"である。いらちとは、「苛ち」であり、せっかちのこと。詳細は、第五話の「いらち」を参照ください。

大阪人のいらちぶりは、さまざまな行動様式に現れているが、言葉をなんでも短縮形にしてしまう面でも尋常ではない。
長くて七面倒くさい名詞は、どんどんショートカットしてしまう。地名では谷九(たにきゅう=谷町九丁目)、南森(なんもり=南森町)、天六(てんろく=天神橋筋六丁目)、梅新(うめしん=梅田新道)、上六(うえろく=上本町六丁目)…など、正式名称より通り名の方が定着しているぐらいだ。
人に道を教えるときでも、「上本町六丁目の交差点を南に折れて…」なんて国土地理院的な言い方はしない。「上六のおっきな交差点あるやろ。こっちから行ったら、あこを右折するんや」で済ませてしまう。地元以外の人が聞くと、それこそ「なんのこっちゃわからん」になるのだが、大阪人同士ならこの方が生活感があって、わかり良いのである。

商業施設でもソニープラザなら「ソニプラ」、フェスティバルホールなら「フェス」、アメリカ村なら「アメ村」と短縮化される。でも、大阪弁の短縮形なので、場合によってはアクが強くて、コテコテすることが多い。
よく言われるのが、ファーストフードショップの短縮形の違いだ。東京の「マック」に対して、大阪は「マクド」といった具合に、大阪は何かにつけて"濃い "。新世界に誕生した都市型テーマパークのフェスティバルゲートも、大阪人にかかると「フェスゲ」になってしまって、とてもアミューズメント施設とは思えないのである。

「はよ」もまた、大阪人のいらちぶりをよく表した言葉だ。「早く」という言葉をもっと手短にしたくて、「はよ」にしてしまったのだから、ほんまにいらちである。
標準語でよく言う「早くしてよ!」とか「早く、早く!」が、大阪弁では「はよ、してか」とか「はよ、はよ!」になる。実際に言葉にすると、その差は0コンマ数秒ぐらいのものなのだが、大阪では、そのコンマ数秒の遅れが許されないのだ。まるで、トップアスリートの世界である。
いらちの世界選手権なんてあったら、大阪人は、金銀銅独占だと思われる。表彰式でも、「はよ、せえ!」「はよ、せんかい」「はよ、はよ」の連呼ではないだろうか。

本日のスキット

夫婦の会話

「おーい、まだか。遅いな」
「ちょっと待ってください。今お化粧してるとこやから」
「化粧なんか、適当でええがな。はよせな、席なくなるぞ」
「このチケットは指定席やから、そんなことあらへんの」
「えーい、なんでもええから、はよしてくれ」
「もう、なんでもはよはよ言うて、アンタはほんまにいらちやな」
「生まれつきじゃ、ほっといてくれ」
「出世もそれぐらい早けりゃ、ええんやけど」
「え?今、なんか言うたか」
「いいえ。ほな、ぼちぼち行きまひょか」