大阪ブランドマガジン
ここがポイント!
こんなん調べてみました
大阪のお土産編”
大阪ちょっと観光編
大阪の都市イメージ編
大阪ブランドモニターツアーアンケート編
コラボレーションレポート
「COOL BIZ」を先取り大阪発!「クール・スタイル シャツ」
マーケティング研究者の場で文化・芸術のブランド資源をアピール!
政令指定都市を目指す堺の魅力を再発見!
東京「なにわ懇談会」で元気な大阪をアピール!
愛・地球博の外国人スタッフが大阪の魅力を体感!
関西大学文学部連続講演会で大阪を再発見!
成長を続ける北大阪・彩都を東京で紹介!
  海外へ魅力ある大阪の発信へ 大阪情報共有連絡会を開催!
  高津神社で坂田藤十郎襲名披露お練り!
他にもぞくぞくコラボレーションを展開中!
大阪光百景
第一回「光百景アワード・フォトコンテスト」
第二回「光百景アワード・フォトコンテスト」
ちょこっと箸休め
大阪弁ミュージアム
大阪弁完全マスター講座
大阪弁ストーリー

大阪ブランドマガジン

第二十八話 すんまへん

標準語を使う人が言っても、まったくサマにならない大阪弁がある。この「すんまへん」は、その代表格ではないだろうか。
標準語で言えば「すいません」で、東京弁になると「すんません」となる。語源は「物事にかたがついていない、済んでいない」ことから来ている。

標準語で丁寧に言うと「すみません」が正しい。外国人のための日本語講座で、まずはじめに憶えさせるのがこの日本語。「スミマセン、これはいくらですか?」「スミマセン、駅にはどう行けばいいですか?」といった調子で、英語における「エクスキューズミー」や「プリーズ」「サンキュー」と同じような万能語として教えている。
用法は、「すんまへん」でも同じだ。「ありがとう」「すみませんね」という感謝の意と、「ごめんなさい」「もうしわけないです」という謝罪の意の2通りで、臨機応変に使い分けている。
例えば大阪では、ご近所さんから、おかずのおすそわけをしてもらたりすると、「やあ、いっつも、すんまへんなア」といった会話で謝意を伝える。また、人が頼み事をしてくれたりすると、「すんまへん、おおきに」と礼を言ったり、何か失敗をしでかしたりしたら、とにかく「すんまへん、すんまへん」と、謝罪を連発する。
まさに、英語の「エクスキューズミー」「プリーズ」「サンキュー」と同じぐらいの割合でよく使われる言葉だ。

大阪では、年輩の女性や商人系の男性は、この「すんまへん」をよく使うが、若い人たちは、どちらかというと「すんません」をよく使う。なぜかというと、「すんまへん」は、たとえ関西人といっても、大阪人らしからぬ人間が使うと、相手をこばかにしているように思われる怖れがあるからだ。それに、年寄り臭い言葉でもある。
だから、「へん」ではなく「すんません」を使うのだが、どちらにしてもイントネーションは、語尾にウエイトがかかる大阪弁である。

「すんまへん」は、軽み(かろみ)を重んじる大阪人らしい軽妙洒脱な言葉である。人にものを頼むときでも、「すみませんが○○をお願いします」と言うよりは、「すんまへんけど、○○してもらえまっか」の方が、軽くてより親近感がある。
でも、関東の人たちは、この軽薄でどこかウソくさい上方流の言い方が気に障るようで、「江戸っ子は すんまへんなが気に入らず」という川柳も残されている。
大阪人は、そういうときでも、「や、すんまへん、気に障りましたか、堪忍したってください」てな調子で、ゴーイング・マイウエイなんです。

本日のスキット

店主と客の会話

「ちょっと、ご主人、こないだ売ってもろた布地、あっちゃこっちゃにキズがあって、お客さんにエライしかられましたで!どないしてくれます」
店主 「え、ほんまでっか。それは、えらい申し訳ないことしまして、すんまへん!」
すんまへんで済んだら、警察いらんがな」
店主 「へえ、すんまへん。なんとお詫びしたら、よろしのか…」
「あんたさっきから、すんまへんばっかりやな、なんかほかの言い方でけへんの」
店主 「へえ、すんまへん
「もうええ、銭返して」