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第二十六話 べっぴん

「美人」のことを大阪ではよく、「べっぴんさん」という。「あのこ、えらいべっぴんやな」とか「ちょっと見いひん間に、えらいべっぴんさんになってぇ」といった使い方をする。
でも、とりすました深窓の令嬢タイプの美人には、あまり似合わない。どちらかというと、明るくて気だての良い、隣のお姉さんタイプの美人にマッチする形容である。

大阪は、含羞を知る大人の都市であると、「好きやねん」の項で書いたことがあるが、この「べっぴん」という言い方にも、大阪人独特の、照れとかシャイな一面が表れている。
つまり、大阪の人は美人に対して、「あなたは、美しい人だ。月だ星だ太陽だ…」といった、ダイレクトな表現は、恥ずかしくて言えないのである。たいていの大阪人なら、「そんな恥ずかしいこと、照れてしもて、言えっかいなぁ」ということになる。
大阪人は一般的に、大事なときになればなるほど、すかしたりジョーク入れたりして、その場の空気を"大阪風味"にしてしまう。それと同じで、美人を前にすると、「好っきゃねん」と小声でしか言えないし、「あんた、べっぴんさんやなぁ」と茶化したようににしか言えないのである。

大阪人はラテン系とよくいわれるところだが、その伝でいくと、大阪の男性は、美女を見たらところかまわず、「あなたは美しい」「愛しています」を連発していることになるが、実際は前述のような「あかんたれ」が多い。
美女を前にすると緊張して、言いたいことも言えずに、おどけてしまうお人好しが多いのである。織田作の『夫婦善哉』しかり、上方の夫婦漫才しかり、なんとなく頼りない、嫁さんに頭の上がらない男が、浪花男のある種の典型となってきたのも、あながち誇張とはいえない。
ふだんは偉そうに言ってても、いざとなると頼りない男たち…。でも、そこがまた浪花っこの、憎めないとこなんです。

余談ながら、浪花のお店で、きれいなお姉さんを見かけたら、「やあ、えらいべっぴんさんやなぁ」と、お上手のひとつも言ってみましょう。気は心、なんぞサービスがあるかもしれまへんで。

本日のスキット

近所のおばちゃんと娘の会話

おばちゃん 「あら、花子ちゃんやないの、帰ってたん?」
「うん。夏休みで、昨日帰ってきてん」
おばちゃん 「いやー、ちょっと見ん間に、えらいべっぴんさんになって」
「いややわ、おばちゃん、お上手言うて」
おばちゃん 「東京に帰るまでに、いっぺん遊びにおいでね」
「うん、おおきに、おばちゃん」