第十六話 しょうもない
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「ばかばかしい」「くだらない」ことやその状況を、大阪弁では「しょーもない」と言う。"ショー"の部分を長く強調すると、大阪弁チックになる。
「しょーもない」は、「仕様も無い」(しようもない)が、大阪流のショートカット発音で「しょーもない」へと転じたものだ。
大阪ではこの言葉はおもに、ギャグを飛ばしてすべったやつに対して浴びせる、お仕置き言葉として定着している。
誰かが何かギャグを言う。全然、笑えないものだったりすると、しばしの沈黙のあと、聞かされた相手が「しょーもな!」と返すのである。
この、音引きの部分がインジケーターになっていて、長く長く伸ばすことで、「しょーもない度」が非常に高くなることを示している。
大阪の人は概して、笑いをとることを至上のものとしているので、この「しょーもな!攻撃」は、かなりこたえる。こたえるタイプの人は、めったにおすべりギャグは出さないのだが、逆に座をしらけさせることに喜びを感じている困った人もいる。「しょーもな!」と言われることに喜びを感じている、自虐的な人である。このての人は、始末が悪い。
笑えないオヤジギャグをやたら飛ばしまくって、みんなが迷惑がっているのにも気づかず、元気いっぱい、ひとりで笑い転げていたりする。
語源の通り、どう「仕様も無い」のである。
本日のスキット
友人同士の会話
Aさん |
「なあなあ、オヤジギャグ言うたろか」 |
Bさん |
「どんなん?」 |
Aさん |
「笑い過ぎても知らんで」 |
Bさん |
「はよ、言いや」 |
Aさん |
「コーディネイトは、こーでねいと。羊羹は、よう噛んでね」 |
Bさん |
「しょーーーもな!」 |