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第十四話 かなん

大阪人は合理主義なので(いらちとも言う)、縮められる言葉はなんでも縮めてしまう。
左様でございますかは「さよか」、違うは「ちゃう」、早くは「はよ」、毎度おおきには「まいど」、滅茶苦茶は「めっちゃ」、ごっついは「ごっつ」…といった具合である。
この「かなん」も、「かなわん」「かないまへん」を縮めてしまったものだ。

活用シーンとしてはやはり、困ったときや弱ったときに使われることが多い。
例えば、町内で大きな騒音を出すような工事が始まると、ご近所さんが集まってくる。誰ともなく「やかましいなあ」「ほんま、かなんなあ」といった会話が始まる。こういったときの「かなん」は、「イヤやわ」「なんとかならんの」といったニュアンスが含まれている。
このように、ある状況に対して使うほかに、人物に対しても「かなん」という表現はよく使われる。人のいうことをきかない、わがまま勝手なやつがいたりすると、大阪のひとはよく、「アイツ、かなんやっちゃでぇ」という言い方をする。どうにもならない(大阪ではこれを「どんならん」という)、困ったやつ、といった意味である。
また、値切り交渉が日常的に行われる大阪では、「かないまへん」という言葉もよく使われる。値切り上手な客に対して、店主が「お客さんにはかないませんわ。この値段でどうでっか」と言う、最後の一言である。

浪花の若い女性が、「うち、そんなん、かなん」という言い方をする時には、「私は、絶対イヤやからね」というニュアンスが込められている。押しの弱い男が、彼女に何か頼み事をするのだが、にべもなく断られる、そんなシーンに似合う、いかにも大阪弁らしい決めゼリフである。

本日のスキット

近所のおばちゃん同士の会話

Aさん 「ちょっとBさん、向かいで始まったマンションの工事どう思います」
Bさん 「音はやかましいし、陽はさえぎられるし、どうもなりまへんなぁ」
Aさん 「ほんま、かなんなぁ」
Bさん 「難儀やねえ」