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第十三話 わや

ものごとがうまく進まず、にっちもさっちもいかなくなったときなどに、大阪のひとはよく、「さっぱりわやや」とため息まじりにつぶやく。あるいは、せっかくつくったものをめちゃめちゃに壊してしまうような乱暴者を見ると、「あいつ、わやしよんな」と怒ったりする。

「わや」とは、筋の通らないことや無理・無茶、すっかり壊れたり、台無しになることを意味する言葉である。
落語家など、浪花の芸人さんがよく使っているので、非常に大阪ローカルな方言と思われているが、実は「わやく」という古語が語源。「わや」と同じような意味に加え、いたずらをすること。悪ふざけをすることといった意味も含まれている。
文豪の森鴎外は、『ヰタ・セクスアリス』で、「それう持つてわやくをしちやあいけんちふのに」と使っているので、少なくとも明治時代には、標準語として使われていたことが推察できる。
「わやく」のさらに語源をさぐると、「枉惑・横惑」という古語にいきつく。ごまかしたり、だましたりすることで、古くは『今昔物語』などにも使われている。

もちろん、現代の大阪人は、「わや」を使うとき、そんな深いところまでは考えていない。日常生活のなかで、ちょっとした困りごとにでくわしたりすると、大阪のひとはごくふつうに、「あ〜もう、さっぱ、わややぁ」とつぶやくのである。
こういうときの「わや」は、「あ〜もういやや」という嘆きの意味合いもあるが、自分自身にリフレッシュのための"間"を入れている面もある。つまり、煮詰まってきた自分を、ちょっと第三者的な目で眺めて、冷静になるようにさとしているのである。
大阪弁は、そんな精神の健康を守る、安定剤的な働きもきちんとしている、偉い言葉なのである。

本日のスキット

パチンコ屋で、おっちゃん同士の会話

Aさん 「おや、Bはん、おひさしぶりで」
Bさん 「ありゃ、Aさん、ひょんなとこでお会いしましたな」
Aさん 「それよりBはん、ようけ玉出てまんなあ」
Bさん 「いや、今日はごっついこと軍資金つっこんださかい、これでもまだへこんでますねん。ところで、Aさんは、どうでっか?」
Aさん 「さっぱり、わやや。今日は、全然あきまへん」
Bさん 「ま、そんな日もありまっせ。あんまりカッカせんと、ぼちぼちやりなはれ」