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第四話 ほかす

関西系タレントの隆盛で、たいがいの大阪弁は全国区になったとはいえ、いまでもストレートに通じない言葉がある。その最右翼にあげられるのが、この「ほかす」という言葉ではなかろうか。
関西弁の洗礼を受けていない純粋東京系の人が、大阪人に、「これもう、ほかしといて」と言われると、多くの場合、「この人、何を言ってるの?」と、まごつくらしい。

これは、友人から聞いた話だが、新入社員時代に東京から大阪本社に配属された初日、書類を整理していた上司から「○○くん、この古い書類、ほかしといて」と言われて、言葉の意味がまったく理解できず、愕然としたことがあるそうだ。大阪人にとっては笑える話だが、本人はいたって真剣。「これから大阪でちゃんと生きていけるのか、目の前が真っ暗になった」という。
なんでも“ほかす”という言葉の語感から、どこかにその物を置いておくとか、天日干しするとか、冷ますとか…その他もろもろのイメージが浮かぶのだそうだ。でも、正確には理解できない。ここは日本なのか…オレはどうなるんだ…、という果てしのないパニック状態へと突入していったらしい。

大阪弁で「ほかす」とは、「捨てる」の意味である。非常にディープな大阪弁と思われがちだが、「放下(ほうか)す」という古語が転じたもので、もとは、うち捨てておく、捨てる、捨て置く、うっちゃるという意味がある標準語であった。
これがなぜ、大阪ローカルになってしまったのかはよくわからないが、言葉そのものの意味が通じないというイミでは、まさしく外国語ドーゼンの大阪弁である。
でも、大阪の人たちは、日常的にこの言葉を使う。「もう、それいらんわ。ほかしといて」とか、「そんなしょうもないもん、はよほかしてしまい」とか、「あんな男、こっちからもらいさげや、もうほかしたるわ」とか…。
ちなみにその友人は後日、同じ上司から「○○くん、この本、なおしといて」といわれて、再びパニックになったという。東京では“なおす”というのは修理のこと。どこも痛んでいない本のどこを修理するのか?部長は何を言ってるんだ…ここはどこ…私はダレ…。大阪弁のキツイ洗礼は、まだまだ続いたそうだ。合掌。

【解説】「なおす」とは大阪弁で、「片づける」という意味があるのです。わかりまっか?

本日のスキット

ある夫婦の会話

「おーい、年末の大掃除で出てきた粗大ゴミ、まだ家にあるやんか。どないかならんの」
「あ、そやそや、あんた、ええこと言うてくれた。今日、荒ゴミの日やわ」
「それやったら、ちょうどええがな」
「あそこの荒ゴミステーションに、まとめてほかして来て」
「よっしゃ、ほんなら、行ってくるわ」
「粗大ゴミやからいうて、自分のこと、一緒にほかしたらあかんで」
「ははは、こら〜!そら、しゃれにならんぞ。手ついて、謝れ〜!」
「どうも、ごみんなさい」