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第二話 なんぼ

「なんぼ」は、大阪の人なら、もう四六時中使う常用語。英語でいう「ハウ・マッチ?」、標準語でいう「おいくらですか?」のことだ。

お店に客がやって来る、商品を手に取る、そこで店員に向かって「ちょっと、これなんぼ」と問うのが大阪の日常風景。なんぼのボのところにアクセントを置いて、やや伸ばし気味にいうと、大阪弁風の疑問形になる。

大阪人はお店でお金を払う段になると、体質的に値切り交渉に入る、とよく世間に喧伝されている。一流百貨店でも、ブランドショップでも、はては海外のスーベニールショップでも、「まかりまへんか」とやっているらしい。真偽は別にして、東京の人などは、日本橋の電器屋街で、特価になっている商品を、まだ値引きさせようとする大阪人を見るとあきれるようだが、大阪人にとってこれは当然のビジネス行為。お店のほうも心得ていて、きっちり値引き巾を確保して値付けしているところが大半で、値ぎり交渉をしないほうが間抜け、という図式が大阪ではできあがっている。

そういうシーンでは必ず「おっちゃん、これなんぼにしてくれるん?」と軽いジャブの応酬が始まる。「ほんなら、この端数を引かせてもらいます」「気は心や、もうちょいおまけしい」…という大阪式ネゴシエーションが延々と続くのである。こういう時、“なんぼ”というフレーズを使いこなせることが、大阪を生き抜くためのサバイバル術になるわけだ。

これとは別に大阪人はよく、「なんぼのもんじゃい」というフレーズも使う。「今年の巨人は強いなあ」とG 党が言うと、すかさず虎ファンが「ジャイアンツがなんぼのもんじゃい!」とやり返す。これを、ちょっとコワモテ系の大阪人がドスを効かせて言うと、「仁義なき闘い」のBGM なんかが聞こえてきそうで、けっこう怖い。

物事に対してクールで、合理性を重んじる大阪人はつねに、「あがってなんぼ」という実利的な現実主義をつらぬいている。“なんぼ”は、そういう大阪人気質が生み出した傑作術語のひとつといえるのかもしれない。

本日のスキット

居酒屋でお店のおっちゃんと客のおねえちゃんの会話

客のおばちゃん 「ちょっとお兄ちゃん、これなんぼ
お店のお兄ちゃん 「へ、そこの値札に書いてあるとおりですけど」
客のおばちゃん 「何言うてんのん、こっからなんぼ引いてくれるんかって、聞いてんねんやんか」
お店のお兄ちゃん 「うわぁ、お客さん、堪忍してくださいな。これでうちはもうツツいっぱい、赤字ですわ」
客のおばちゃん 「そんなん言わんと、もっとまけたりいな」