大阪ブランド情報局 | Osaka Brand Committee

ただいま紹介に預かりました、英国総領事館特別顧問の塚谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ワージングトン教授は、都市再生における戦略的デザインコンサルタントとして、グローバル市場で活躍するDEGW社の創設者の一人でございます。DEGW社は約30年前に設立され、従業員300名、世界各国12箇所に事務所を持つ、戦略的デザインコンサルタントサービスの会社です。1991年、東西ドイツ統合直後のイエナにおける、都市中心部の活性化計画におきまして、世界的な評価を得ました。昨年度、大阪市から要請を受けて、ブランドの検討をさせていただき、また、今年7月には、ロンドンで市長とワージントン教授が会われ、大阪のブランドアイデンティティについて意見交換をいたしました。それでは、ワージングトン教授からのメッセージを、ビデオを通して紹介させていただきます。 皆さんこんにちは。今日この重要な会議「Brand-New Osaka」に直接参加することができず、申し訳ございません。昨年、私は大阪を2度訪れ、大阪市の都市計画の担当者の方々と仕事をする機会を持ちました。また、私が今しゃべっているところ、ロンドンの私たちのオフィスに、関市長ならびに代表団の方々をお迎えすることもできました。新しいコミュニケーション技術により、世界が小さくなっている今、皆様方がこのような会議に国際的な視点を持ち込むことの重要性を認識し、デジタル画像、メディアを使い、バーチャルな形での参加を可能にしてくださったことは、非常に素晴らしいことです。 この新しいグローバル経済の下で、私たちは1つのパラドックスに直面しております。それは、都市が提供しているものが、グローバルなブランドの成長や、多国籍間のビジネスの展開につれて、ますます均一化していく一方、個人個人は個性や、地元独自の特徴といったものを激しく希求していくようになっているということです。では、この変化する世界において、私たちは都市をどう定義していけばよろしいのでしょうか。 私は、都市を形作る3つの違ったパラダイムがあると思っております。まず、想像力を持つ都市。これはグローバルな都市であり、学問のまちボストン、楽しみに満ちたまちヴェニス、商業のまち大阪といったものです。次に、利便性に富むまち。これは大都市圏を網羅する公共および民間の輸送網により、最も便利な形で必要とするところに移動できるまちです。三つ目は、重要な場所を持つまち。都市の近々に特徴やユニークな性質を持つ場所を持つ、つまり都市を映し出すイコンとも呼べるべき物理的、実際的場所があるということです。 認識、知覚には個人差があります。人口学的にもますます多様性を増している今、都市を構成するものに対し、それぞれの人が様々な期待を持っていることは当然のことです。そこで、大阪の課題は、様々な見地から、自分たちのまちの特性や個性を見つめ直していくことではないでしょうか。 外から来た人々が、大阪をどう見ているかを皆様方に知っていただくため、私たちはパイロットスタディを行い、大阪を訪れた人々にその個人的な心象を描いていただきました。意見を寄せてくださった方々は、大阪の可能性を感じてはいるものの、目に見える形で、結果や世界的野心が欠如しているということには批判的でした。ある英国の建築家が、最初の来日について、こう言っております。「大阪が旅行の目的地になる可能性は非常に大きい。しかし、ヨーロッパ人に関する限り、現在のところ、それが表立って打ち出されておらず、イメージや宣伝の欠如が感じられる。一方、大阪外から来たある日本人の専門職の方は、今までにとられている様々な活動にもかかわらず、その実現化は程遠い。大阪市が活性化したとは言いがたい。欠けているのは、創造的な人を育成していくという機能だ。芸術、文化、ビジネスを結び付けるべきだ。可能性はあるのだから。」と述べています。このような、試験的インタビューの答えは、皆様方の討論のため、ある示唆を提示していると思います。 大阪は、大阪を再発見し、磨きをかけ、語り合っていこうというイニシアティブでもって、重要なスタートを切られたのです。都市の性格と個性は、その物理的場所と、そこに集う人々という資源の結果生まれてくるものです。制度、気候は都市の、そしてそこに集う人々の熱情や価値観を繁栄するものでなくてはなりません。 最後に結論を述べたいと思います。まず第一に、これから大阪を活用していく人々の熱情や期待の多様性を認識し、そのために大阪が持つ独自の文化、価値観や物理的特長を強化していく。第二に大阪駅北ヤードという大規模再開発が、変化のための重要な起爆剤となることを考慮しながらも、このようなプロジェクトが、経済的に成功し、また、現在の都市の構成要素とうまく統合されていくまでには長い年月がかかるであろうということを認識しておく。斬新的に包括的なビジョンを作り上げ、大規模プロジェクトが周りの地域の再活性化にもたらしうる刺激、効果を認識する。同時に、小規模で、短期に行えるプロジェクトで、早期的利益を獲得する。第三に、実質的プロジェクトであり、また様々な興味や、個人のネットワークが構築できるような、イベントのプログラムから成る開発戦略を立てていく。多様な興味、態度、アプローチを抱合していることから来るパラドックスを大切にし、うまく使っていく。 グッドラック!幸運をお祈りいたします。そして、レンタカー会社二番手だったエイビスが、トップのハーツに対峙していったときのスローガンを忘れないでください。それは「私たちはもっともっとがんばっていこう」というものです。 これで、ワージングトン教授のメッセージは終わりです。 最後に、35年間英国と日本の橋渡しをしてきました経験から一言付け加えたいと思います。 ご存知のように、大阪は東洋のマンチェスターと言われています。マンチェスターも基幹産業であった繊維産業が衰退し、11年前より都市再生に取り組み、「マーケティングマンチェスター」というロゴの下、マンチェスター周辺都市と、産官学、市民が一体となって強力にマンチェスターを国内外に売り込みました。これが功を奏して、今では、英国で最も都市再生に成功したまちとして国内外に知られるようになりました。安藤忠雄先生もピカデリーガーデンズの設計をされ、マンチェスターの都市再生に参加されました。大阪市長一行も今年の7月、マンチェスターを訪問しておりますし、今年の9月には総理府の都市再生本部から、ミッションもマンチェスターを訪問することになっております。この点において、まさしく大阪も同じ過程を歩んでおられます。大阪ブランドコミッティのイニシアティブは、マーケティング大阪をスローガンにきっと成功に導いてくれると確信しております。

今後とも日英間の交流がますます発展しますことお祈りして、私の挨拶と代えさせていただきます。どうもありがとうございました。

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