関大の河田でございます。 きょうはとてもいいお話を聴かせていただきました。前回は安藤忠雄さんが、大阪活性化のための「平成の桜の通り抜け」という具体的な提案をくださいました。大阪人はいろいろ言うけど具体的にまとまらない、というのが安藤先生の前回の話でしたが、これで1つのまとまりができました。 きょうはコシノヒロコさんから、「ネクタイを取って、素晴らしい服装を大阪から発信しよう」という具体的なお話でした。非常によかったと思います。特にコシノさんがおっしゃった3つの点ですが、第1の点、面白いということは非常に大事なことです。今度の吉本の社長・吉野さんも関大の出身です。同じく関大出身の桂三枝さんも社団法人上方落語協会の会長になりました。面白いということは大事です。学問も一緒で、面白くないと学生は集まりませんし、だめです。そういう意味で、サービス精神を持った、人を喜ばせて自分も喜べるようなものをやりたいということでまとまればいいと思います。 2つ目は創造性ということです。クリエイティビティということで、「自分だけの」ということは大事だと思います。昔、内藤湖南という有名な、大阪朝日新聞の記者で、秋田師範(秋田県師範学校)しか出ていませんが京都大学の東洋史の先生になって、中国史のことでは20世紀が生んだ最高の歴史学者だと思います。その人が大阪の学問はどこに特徴があるのか、それは「創造かつ発明の学である。新しいものを生み出すものだ。そこに大阪のよさがある」と言っています。それはずっと大阪の伝統としてあったわけです。そういう意味で、創造性ということ、そしてその中でソロバン計算をするなということです。 実は私もソロバン計算をしておりました。しかし、クリエイティビティということです。関西大学は2月1日から8日間、前期の入試があります。きょうのところ66,205人が集まっています。昨年より今のところ6%増えています。これだけの受験生が関大に志願するということは、大阪に、そして大阪の大学に魅力があるということの1つだと思います。関西大学を宣伝させていただきますと、今年で119年、かつ29万人の卒業生を出しています。 3つ目が独自のイズム、独自性ということを言っていただきました。反骨精神を持ちながら、大阪の伝統をまとめて新しいものを発信していけということです。 東京・江戸の学問は朱子学で官僚をつくるための学問です。京都の学問は僧侶と公家の学問です。それに対して大阪の学問は、江戸時代以来陽明学で、「知行合一」ということです。すなわち、実際に役に立つことをする。そして理論と実践とを結び付ける。ここに大阪の学問の特徴があると思います。そういうことをまとめて大阪が発信できればいいのに、とかねがね私は考えています。 まとめさせていただきますと、『孟子』の中にこういう話があります。「天の時、地の利、人の和」、これはどれが大事か。「天の時」はまず大事である。まさにそうです。だが、「天の時」よりも「地の利」が大事だというのが孟子の教えです。すなわち、中国との貿易高がアメリカを超えた。大阪と上海あるいは中国とは非常に近い。日中貿易の30%は関西そして大阪でやっています。コシノ先生も中国で工場を持っておられますが、地の利として中国、かつ台湾などをうまく利用しながら、大阪の活性を図っていけばいい。しかし、「地の利」よりも「人の和」が一番大事だというのが孟子の最終的な教えです。「地の利は人の和に及ばず」ということです。 大阪人は勝手にゴチャゴチャ言いますが、それをコシノ先生と安藤先生の下にまとまっていただいて、企業も大阪から本社が出て行くのではなくて、大阪に本社をまとめていただいて、「人の和」でもってそこから新しいものを発信していけばいいのではないかということです。
関西大学としましても、大阪の大学として、また大阪ブランドコミッティの組織委員会のメンバーとして、「大阪」の発信に務めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
