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| ● TOP ——————– □第一話 おおきに □第二話 なんぼ □第三話 けったい □第四話 ほかす □第五話 いらち □第六話 しゃあない □第七話 ほな □第八話 さよか □第九話 どないしたん □第十話 ええかげんにしいや □第十一話 うそやん □第十二話 ちゃうちゃう □第十三話 わや □第十四話 かなん □第十五話 好きやねん □第十六話 しょうもない □第十七話 さぶいぼ □第十八話 やいやい □第十九話 もうかりまっか □第二十話 ぼちぼち □第二十一話 かまへん □第二十二話 あほ □第二十三話 あかん □第二十四話 よういわんわ □第二十五話 ほんま □第二十六話 べっぴん □第二十七話 やつす □第二十八話 すんまへん □第二十九話 しはる □第三十話 しばく □第三十一話 はよ □第三十二話 ややこしい □第三十三話 なんぎやな □第三十四話 よろがわ □第三十五話 けたくそわるい □第三十六話 おいでやす □第三十七話 あんじょう □第三十八話 なんのこっちゃ □第三十九話 なおす □第四十話 しまひょ □第四十一話 ごっつい □第四十二話 まいど □第四十三話 いちびり □第四十四話 ほたえる □第四十五話 めっちゃ □第四十六話 げら □第四十七話 どだい □第四十八話 なんでやねん □第四十九話 あんさん □第五十話 あんなあ □第五十一話 ええやん □最終話 おもろい |
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「仕方がない」「仕様がない」というのを、大阪の人は普通「しゃあない」と言う。「そうか、そらしゃあないな」とか「もうええ、しゃあないわ」といった諦念の時に、よく使う。しかしこれは案外含蓄のある言葉で、人生の酸いも甘いも知り尽くした大人が使うと、いろいろな意味が含まれてきて、味がある。
例えば、英語でいうと、「so it goes」=「そういうものだ」というニュアンスが含まれることがある。関西弁ハードボイルドな用法で、ちょっといい感じだ。
あるいは、スペイン語の「ケ・セラ・セラ」といった意味が込められる時もある。「なるようになるさ」という、ラテン系のポジティブな達観である。いま、ウルフルズが唄ってヒットしている「明日があるさ」も、これに近い。「人事を尽くしたら、じたばたしてもしゃあない、あとはなるようになるがな」というラテン大阪式合理主義がそこにはある。
「シャーナイ」という音感から、どちらかというと、やさしげな大阪弁に思われがちだが、これを最後の言葉として、開き直った時の大阪人は、すごみがある。河内の地侍、楠木正成しかり。大阪のひとではないけれど、最後まで豊臣方に忠義をつくした真田幸村しかりである。 二人とも、きわめて冷静かつ現実的な状況分析で、歴戦を勝ち抜いてきた知将たちだが、歴史の歯車は最後には彼らを勝ち目のない戦へと追い込んでいく。実務家だけに、自分たちの負けは見えている。だから、本当は戦いは避けたい。しかし、運命はどうにもならない。そこで彼らが選んだのは、「よっしゃ、しゃあないわい!」という思考の切り替えである。「いっちょ、一泡吹かせたろか!」という、大阪人特有の開き直りが発動する。こうなった時の、大阪人は、タフで手強い。
事実、茶臼山に陣を張っていた徳川家康は、幸村の熾烈な突進から逃げに逃げて生き延び、生涯で最も恐怖にまみれた合戦として記録に残している。正成もまた、雲霞のごとき敵陣に斬り込んでいき、壮絶な討ち死にを遂げ、日本一の忠臣として後世に名を残している。
普段は、あほなことを言いながら、なんでも笑いにしている大阪人だが、「やるときは、やりまっせ」というのが、この言葉には言外に含まれている。いかにも大阪らしい現実主義と、最後の最後まであきらめへんで!というダイハードな性根が感じられて、噛めば噛むほど味がでる言葉だ。
本日のスキット
ある夫婦の会話
| 妻 |
「なあアンタ、こないだ買うたセーター、一回洗ろたら、メチャ縮んでしもた」 |
| 夫 |
「なに、まだ1回しか着てへんやんか」 |
| 妻 |
「そやねん、お店に文句言いにいこか」 |
| 夫 |
「ところで、なんぼで買うたんや、そのセーター」 |
| 妻 |
「えっと、バーゲンで980円やったわ」 |
| 夫 |
「そら、おまえ、しゃあないで」 |
