梶本佳孝さん写真 梶本佳孝さん
スピーチ

皆様こんにちは。総合医科学研究所代表取締役社長をしております梶本といいます。どうぞよろしくお願いします。

私、ずっと長らく大阪大学の方で糖尿病の研究をしておったんですが、バイオの分野でいいますと、決して大阪が弱いということはなくて、むしろ西高東低で、そういう意味で言うと、何を今更大阪ブランドという、そういう感じも少ししないでもないんですけど、よく考えてみると、いわゆるバイオ研究の分野というのはダイレクトに海外に出て行くわけですね。論文であるとか、学会発表であるとか。先ほどの太田知事もおっしゃいましたけど、情報が東京を経由しないといけないような形で、出ていかないといけないような部分で、やはり大阪はかなり損をしているのかなあという、そういう印象は持ってます。ただ、そうも言ってられないので、なんとか私なりの、こういう会に呼んでいただきましたので、提言をする中で、貢献させていただければというふうに思っております。

総合医科学研究所なんぞや、ということで、ご存知ない方が多いと思います。一応、昨年株式公開しまして、現在、時価総額が1千億と。先ほどからiモードを見ておりますと、今日下がってて1千億をちょっと切ったようで、少しそわそわしておりますけど、一応わが国最大のバイオベンチャー企業ということになっております。
何をやっている会社かといいますと、基本的に大学の研究成果をもらってきて、それを色々なバイオマーカー、いわゆる生体評価システムを開発するということで、色々な食薬、主には食品ですね、それらの研究開発に使っているということです。先ほどご紹介ありましたように、厚生労働省許可の特定保健用食品の認可にかかわる臨床試験事業では圧倒的なシェアを有させていただいております。

これはうちの研究施設で、吹田市にありますけれども、バイオマーカー研究センターといって、何をやっているかというと、こういうふうに人を、こういうものを使って疲れさせまして、実際疲れたときにどんなバイオマーカーが動くか、なかなか自分がどれくらい疲れているかも分からないですけど、隣の人がどれくらい疲れているか分からないですけど、評価する術がないわけですね。これが分からないと、本当に疲労に効くものが開発できないということで、今こういう装置を使って、科学的に、これは一応、製薬、科学、食品、それから総合商社18社と大阪市様にもご協力いただきまして、それから文部科学省の疲労研究班の先生方に全面的なバックアップ得まして、今この疲労研究プロジェクトやっておりまして、これ3年後には本当に疲労に効く、今の栄養ドリンクに代わるようなものが世の中に出てくると、そういうことになっております。
あるいは、こういうマウスを使って、これは私の出身母体であります阪大の第一内科と共同でやっておるわけでございますが、このマウスを使うと、従来は2ヶ月ぐらいかかった糖尿病の薬のスクリーニングが、1日で済むということで、非常に楽しみな計画です。こういう人と動物、両方使って色々な評価計を作っている会社です。

ブランド力ということで、私、製品を作っている会社ではないんで、うちにとってブランド力とは何かなということをちょっと考えてみましたところ、これは伊藤園さんといううちの顧客のホームページなんですけど、ここにはこの研究が総合医科学研究所との共同研究であると。実際には大阪大学、それから京都府立医科大学の先生方との共同研究でもあったわけですが、あえてそれは出さずに、総合医科学研究所でやった研究であるというのが、より信頼性を高めるというふうに伊藤園さんには考えていただいていて、うちの名前が出ていると。これがうちにとってのブランド力かなということで、ここに出させていただきました。
現在、先ほど申しましたけど、バイオの分野では少なくとも大阪ブランドというのは圧倒的に強いと思います。大阪大学、大阪市立大学、国立循環器病センター、たんぱく質研究所、大阪バイオサイエンス研究所、このバイオサイエンス研究所にいたっては、確か数年前に世界で一番平均インパクトファクターが高い研究施設であるいうことで、非常に有名になったというふうに記憶しております。

そういうことで、基本的にはバイオの分野ではもうブランドを確立していると思うんですが、これをまた一方でどういうふうに人を呼ぶとかいうことに結び付けていくかを、私なりに考えてみますと、やはり我々食品に関係している仕事をやってますけど、どんなにいい機能性食品でも、どんなにいい特保でも、おいしくないと売れないわけですね。このおいしいというのは非常に大事でございまして、大阪人はここの部分に非常に長けている。我々の5千人規模の被験者バンクを持ってまして、その人たちに食品を食べていただいて、効くか効かないかよく鑑定するような仕事をやっているんですが、まず一つは、大阪人は食べるのが非常に好きですね。被験者の募集をしますと非常に集まりやすい。で、しっかり食べていただきます。おいしかった、まずかったも含めて色んな感想をいただきます。その中で実際に効くものが分かってくるわけですね。


その大阪その大阪ブランドというのを、今後その食文化をですね、実際にどういうふうに形にしていくかというと、一つは、やっぱり、例えば四国に行くと88ヶ所巡りがありますけども、例えば大阪でうまいもの88ヶ所めぐり。あるいはミシュランの1つ星、2つ星がありますけれども、それと対抗して1えべっさん、2えべっさんってな感じで、本当においしいものを大阪に来れば食べられるんだという、そういうふうな例えば情報発信をしていければ、もう少し大阪に来る人たちも増えるんじゃないかなというふうに今考えております。

これは可能かどうか全然分からずに言っておりますけれども、せっかく呼んでいただきましたので、提言させていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いします。